2007年4月の日記

4月1日(日) 友情を通過しない愛情はない
◆晴れ。
◆決してものすごい名作というわけではないのだけど、胸に残ってしまう作品というのがある。
『St. ELMO'S FIRE』この映画もそうじゃないかなぁ(写真はサウンドトラックCD)。実際この映画をネタ元にして(っていうかほとんどそのまんまで)日本ではテレビドラマが作られて大ヒットになった。鈴木保奈美さんはお元気なんだろうか。唐沢くんは相変わらず変な男だけどそのドラマでは好青年だった。
◆ある一時期を一緒に過ごした気の合った仲間というのは本当に大切なものだと心底思う。年月が過ぎてまったく会わなくなりいつかお互いに消息がわからなくなったとしても、その年月はいつまでも心に残っていく。苦い思いがあったとしても、その苦味は時間が洗い流してくれるだろう。
◆ただ、個人的な思いで言えば、友情から愛情になりやがてそれが壊れてしまった相手というのは、なかなかかつての友情は復活し難いんじゃないか、とも思う。
◆まぁ何はともあれ、世の中は春だ。出会いと別れの季節だ。新しい世界へ旅立つならば、その胸に仲間との思い出をいつまでも。それはきっと新しい航海の羅針盤にも燃料にもなるはずだ。
◆さて我が
コンサドーレ札幌は第6節を終えて現在3位という好位置につけている。なんといってもこれは2点というリーグ最少失点ゆえ。とにかく今期の守備は堅い。じゃあつまらない試合をしているかといえばそうでもない。なかなかに楽しい試合を毎回やってくれる。このまま突き進めっ。
倉阪鬼一郎さんから新刊『うしろ』(角川文庫)をいただきました。倉阪さんありがとうございます!

4月2日(月) FIGHT!
◆小雨が降る。
◆なんだかんだと言いながらも、僕らの世代でこの男の姿に涙しなかった人はいないのではないのかと思う。ファイナルを迎えた
『ロッキー』だ。ロッキーファイナルを作ってると聞いたときにはいやもういい加減にしておけよと思った(いやロッキー3の時点でそう思っていたのだけど)のだけど、予告編でもう眼の奥が熱くなっている自分がいる(^_^;)。このテーマを聞くと条件反射で走りたくなってくる。いろいろとネタにしながらも、シルベスター・スタローンの作った『ロッキー』そして『ランボー』は確かに映画史に残る名作なのだ。たぶん、近日公開される『ロッキー・ザ・ファイナル』は観てしまうと思う。そしてたぶん泣く。
◆毎年書いているけど我が家近辺は上空が渡り鳥の飛来コースになっている。毎年この時期になるとたくさんの渡り鳥たちが編隊を組んで鳴き声を上げながら飛んで行くのを幾度となく見ることができる(今日も五十羽ほどの編隊を見た)。高度が低いと羽ばたきの音まで聞こえてくる。
◆もうひとつ、夏になると今度は周囲が田んぼだらけなので、カエルの大合唱が聴ける。これは半端でなくすごいのだ。近くに行くと会話の邪魔になるぐらい天にも届けとばかりのものすごい大合唱。そしてもちろん空気が格段に澄んでいるので星もきれいだ。いつだったか流星群のときには流星の流れる音まで聞こえたんではないかと思うほどはっきり観られた。
◆僕はどちらかと言えば田舎よりは猥雑な空間にいた方が落ち着く人間なのだけど、我が家は札幌まで電車で二十分ほど。考えようによってはバランスの取れた非常にいい環境に居ると思う。

4月4日(水) なにということもなく
◆晴れ。穏やかな日。
◆正直DJたちやその現在のシーンにはあまり詳しくないのだけど、このバンド(という呼び方は変か)の現在の音楽指向性はかつてのジャズフュージョンにも通じるようなところがあって好きだ。名前もいいね。
〈A Hundred Birds〉。ものすごくリリカルなようでいて力強さがある。ジャケットは『老人と海』を意識したものなんだろうか。ヘミングウェイと言えば唯一原書で読んでみた本だったな。辞書を引きながらで全然楽しめませんでしたけど。海外文学が好きだけど、やはりその国で書かれた言葉で読めないと伝わらないニュアンスがあるだろう。でも、日本語に訳されたからこそ味のある部分もあるのではないかと推測する。そういう意味では良き翻訳家を心から尊敬する。
◆大好きな坂田靖子さんの作品に、雷魚が山に登って龍になる、というお話があるんだけど、その龍がひょいと下界に帰ってきて言うのだ「いや(龍に)なっちゃったらもうすることがなくて」。笑った。
◆何者でもなく、何かを目指す日々というのは、実はいちばん苦しくていちばん楽しい日々なのだと思う。おそらくもうその日々を過ぎてしまった僕は、手に入れた(入れつつある)何かを手放さないための努力をし続けるしかない。
◆何かを目指すという目標を得られた人は幸運という話も聞く。世の中にはそれさえ得られない人たちもいるらしい。物心ついたときから何かになりたいと願っていた僕にはその感覚がわからないのだけど。そういう意味では、僕は親が与えてくれた名前〈幸也〉の通り、幸せな男なのかもしれない。その幸せを噛みしめて、前進しなきゃならないと思う。

4月6日(金) 犬とスニーカーの頃
◆晴れ。穏やかな天気。
◆我が家の犬は写真嫌いなので正面からの顔を撮れることは滅多にない。その滅多にない正面の顔がこれだ。なんか鼻が歪んでいるように見えてあまりいい写りではないがまぁ本犬から文句は出ないだろう。雑種なのだが、どうやら紀州犬の血が混じっているような雰囲気もある。ネットなどで見かける紀州犬に風貌がよく似ているのだ。奥に写っているのは次男の新学期用の新しいスニーカーだ。新しい靴っていいよね。それを履くだけでわくわくする。
◆なんだか新しいドラマも原作マンガがやたら多いみたい。それが悪いとは言わないし、良いマンガを良いドラマに仕立てるのもそれはそれで素晴らしいことだ思う。良くなってればね。
◆やらせ問題や捏造問題やロリエロ問題やあれやこれや。テレビも新聞も出版社もマスコミもそして普通の人々までも自浄作用が効かなくなっているんじゃないか。ここで誰かが大きな動きをして、新しい流れや開口部を作らないとますます濁った沼のようになっていくんじゃないか、とも思う。
◆その新しい流れ、というのはやっぱりクリエイティブの部分じゃないか。新しいドラマにしても、どっかの事務所との力関係とか流行とかスポンサーに迎合することなく、〈いいものを作る〉というただ一点だけで作られるもの、というのが、大きな力になるんじゃないか。俳優さんだって心ある人なら演技力もくそもないアイドルタレントとちゃらちゃらした脚本の中で躍らされている自分に嫌気が差しているんじゃないか(いくら生活のためとはいえ)。
◆邦画に勢いが戻ってきたというのは、ひとえに〈いいものを作る〉という意志のみで頑張った新しい世代の監督さんや俳優たちが居たからだろう。なんだかんだ言ってもテレビの影響力は大きい。映画の比ではない。だからこそ、頼むから、いいものを作ってくれ。見せてくれワン。

4月7日(土) ババンババンバンバン
◆晴れ。気温も上がって暖かい日。歯磨けよ。宿題やれよ。
◆気持ちいいぐらいにマニアックでカッコよい大きな意味での〈旅〉の雑誌
〈coyote〉が月刊化。それにともない紙質も版面も変わってしまった。うーん、前の方が好きだったんだけど、致し方ない部分もあるのか。雑誌冬の時代は続いているという。頑張ってほしい。
◆雑誌といえば
〈BRUTUS〉〈number〉〈ku:nel〉を近所の〈TSUTAYA〉で買ってきた。ここのTSUTAYAさんは地元だというのに僕の本が一冊も置いてない。っていうか江別市の本屋さんで僕の本を見たことないです。はははー。頑張れ小路。
◆頑張るといえば、地元札幌には広告屋時代の仲間が大勢いるのだけど、元同僚のプロトくんもその一人。そのプロトくんも含む知り合いのコピーライターたちがこんなことをやっている。〈TAWAII〉というサイト。まだ工事中で力の抜けたブログしかないのだけどいかがでしょうか。そこにも参加しているこいつはやはり元同僚で同い年のコピーライターbeatpopだ。実は札幌の広告業界ではそれなりのネームバリュー持ちになってしまっているらしいが何度ブログを三日坊主で潰したか。今度は続けろよ。
◆地球温暖化は深刻な状態にあって、どう考えても百年後の地球はとんでもないことになっているような気がする。それを食い止める手段は判っているけど、できやしないだろう。経済の発展を止めることが唯一の手段なんだから。もうひとつの手段は技術発達によるものだろうけど、それさえも経済のシステムの中に組み込まれているんだから。そういうことを考えるとどこまでも暗くなってしまう。希望を見出したいけど、今のところは何もない。人間は愚かな生きものだというのは歴史が証明している。
◆心のどこかで神の鉄槌を望む自分と、人間にあるはずの理性と叡知を信じたい自分がいる。

4月9日(月) ASAYAKE
◆曇り。小雨も降る。
◆これほど完成度の高いバンドもそうは現れないだろうと思えるほどの日本の誇るべきジャズフュージョンバンドの
〈CASIOPEA〉。知らない人もいるんだろうなぁ。君たちは人間か! と叫びたくなるほどのテクニックは本当に当時度肝を抜かれた。なかなかないよ? 度肝を抜かれるって。いやホント。このアルバムは初期のアルバムだけどカシオペアらしさが十二分に出ているアルバム。名曲揃いだ。すごいから。カッコいいから。知らない人は聴いてみそ。
◆選挙が終わった。いつも思うのだが、選挙って戦うものなのか? 大声張り上げて勝った負けたと言うものなのか? と。一票の重みとかあなたの参加が政治を変えるとか毎回のように言うけど、政治って変えなきゃならないようなものなのか? 医者の仕事がただひとつであるように、政治家がやらなきゃならないこともただひとつだろう。世の中は簡単じゃないというけど、簡単じゃなくしているのは誰だ。他人が作り上げたシステムにただ考えもしないで飲み込まれるな。僕が勉強不足なだけかもしれないけれど、日本に近代国家が生まれて以来、政治家が国を善くしたことなんかただの一度もないと思うんですがいかがでしょうか。
文藝春秋のHさんから『別冊文藝春秋』をいただきました。ポプラ社のYさんから『asta*』をいただきました。ありがとうございます! どちらにも今後僕の連載が載る予定です。
◆そういえば、デビュー作
『空を見上げる古い歌を口ずさむ』(講談社)が文庫化されます。たぶんもう言ってもいいと思うんだけど(^_^;)。今ゲラをやってる真っ最中。何事もなければ、講談社文庫から来月発売予定です。単行本は既に重版の予定はないのでお手元にない方はこの機会にぜひ! 目指せ重版。

4月11日(水) 鉄塔
◆寒かったりする。
◆ほとんど内容を覚えていないんだけど〈高圧線の鉄塔が近くにある家に住む人たちの物語〉というテレビドラマ。そして確か主題歌にジャニス・イアンの曲が使われていたように思うのだ。まぁ調べれば判るのだろうけどここはあえてそのままに。で、高圧線の鉄塔が我が家のすぐ近くにある、という話。これは犬の散歩の途中で撮った写真。右下のところにちょっとしたスペースがあり、作業場のようになっているんだけど、当然〈登ってはいけません!〉という看板もついている。ついついそこで暮らすのはどうだろうと思ってしまうのは〈ジョジョの奇妙な冒険〉のファンだけですね。
◆この鉄塔、夜ともなれば暗い闇の中にぼんやりと浮かび上がり、天辺には赤いライトがまたたいている。そういうのを見ると、ゴジラや怪獣たちがあの鉄塔を倒すんだよなぁ、ゴジラの大きさはあれぐらいか、などと考えてしまうのは世代のせいだろう。
東京創元社のKさんから〈ミステリーズ!〉をいただきました。ありがとうございます! そういえばもうすぐ発売になるはずの新装なった講談社さんの〈メフィスト〉に僕のコラムが載っています。メフィスト賞出身なのに〈メフィスト〉に書いたのはこれが初めてだったりします(^_^;)。
◆実は東京にいたりする。今度こそ少し行きたいところを廻ろうとか思ってたけどやっぱり芸能人並みのスケジュールで打ち合わせばかりの毎日です。っていうか編集者の皆さんに黙っていればいいんだろうけど、やっぱり「上京します」と言ってしまうんですね。根が善人です(小心者ともいう)。

4月13日(金) シー・ラブズ・ユー&オーバー・ザ・レインボウ
◆札幌では雪が降ったり。
◆ものすごく早いんだけど、bk1ではなんともう予約が始まっている。なので告知してしまいます。
『東京バンドワゴン』の続編が出ます。『シー・ラブズ・ユー 東京バンドワゴン』(集英社)5月25日発売です。あらすじはbk1のところにも書いてますけど、もう文字通りの続編。なんと『東京バンドワゴン』の最後のページからほんの数日後から物語が始まります(^_^;)。勘一も我南人ももちろん語り手のサチもその他の堀田家の皆もご近所の皆さんもそのままに、新たなメンバーも加えて相変わらずの毎日を繰り広げますので、ぜひ! 
◆さらに告知してしまいましょうか。集英社さんが毎月出している情報誌
『青春と読書』こちらですね)で、『東京バンドワゴン』のスピンオフ作品『オーバー・ザ・レインボウ 東京バンドワゴン』(仮題)を来月号から連載します。こちらは終戦直後の東京の下町、勘一とサチが出会った頃のお話です。若き二人の青春時代の物語をお楽しみくださいませ。で、写真はそのタイトルの原典、『オズの魔法使い』のジュディ・ガーランドのアルバムでした。
◆なので、来月はデビュー作である
『空を見上げる古い歌を口ずさむ』(講談社文庫)と最新作『シー・ラブズ・ユー 東京バンドワゴン』の二冊が出るという嬉しい事態になりましたので、どうかひとつよろしくお願いします。
◆東京ではただひたすら打ち合わせ三昧。担当編集の方々、お疲れさまでした&ごちそうさまでした。ひたすら頑張りますので、よろしくです。

4月14日(土) なごり雪
◆北海道はあちこちで季節外れの降雪。なごり雪などというロマンチックなものではなく洒落にならないぐらい降って、東京から戻る飛行機が欠航。運良く直前の便に乗れたけどね。まいったまいった。
◆だからといって写真は名曲『なごり雪』ではなくて、
〈USA for AFRICA WE ARE THE WORLD〉。どうしてこんなすごいメンバーが集まっているんだと驚いたけど、今になって見るとあの人は今どこに? なんて人もいるね。もう22年も前なんだなぁ。その頃の僕は先輩と二人で〈Ramblin' St.〉という名のカフェをやっていた。店の奥のカウンターと、通りに面した窓のカウンターと、大きめのテーブルがひとつ。その店にこの曲が何度となく流れていた。あたりまえなんだけど、音楽がこんなにも大きな力になるのに、何も持ってない、何もできない自分が少し悔しかったのを覚えている。あと、ぜんぜん客が入らなくてものすごく貧乏だったなー。いやマジですごかった。自動販売機のおつり返却口に100円が忘れ去られていたのを見つけたときに嬉しくて涙が出そうになるほど貧乏だった。
◆そんな時代を経験しなくても生きては行けるんだけど、経験するとお金の有り難みがよくわかる。そして、人間はお金がなくなると心が荒むっていうのもよく理解できる。そして、街に生きていく以上はその仕組みの中でお金を稼いでいくしか〈ちゃんと生きる〉手段がないんだってよく判る。
◆人の心は金で買えやしない。本当に大事なものは他にある。でも、この社会で、街で生きていくのなら、その大事なものを守るためにはお金は必要なんだ。そのことに気づけば、今自分が何をするべきかは見えてくると思う。
角川書店さんから『野性時代』講談社さんから『メフィスト』をいただきました。ありがとうございます!

4月15日(日) 夢
◆晴れ。気温がなかなか上がらない。
椎名林檎さんに関しては何の説明もいらないだろうけど、実はそれほど聴いてはいなかった。素晴らしいアーティストであると思ってはいたのだけど、正直フェバリットにするのにはピンと来るものがなかったのだ。で、この新生椎名林檎のアルバムは映画「さくらん」のサントラと言ってもいいものだろうけど、これはガツンと来た。好きだ。何が違うといえば当然アレンジもスタイルも違うのだけど、何というか、うーん、今までインディ500だったものがF1になったみたいな感覚。それぞれに良さがあるのだけど、僕はF1になった椎名林檎の方が好みだったのだな、と。
◆最近、手紙を貰う夢を続けてみた。そもそも手紙なんて編集者さんからの手紙をのぞけば支払催促状とか請求書とかそんなものしか来ないのになんでまたそんな夢をと。しかもその夢で貰った手紙の内容というのがまたリアルなのだ。ここでは言えないのだけど(いや悪い手紙じゃないんだけどね)、ものごっつありそうでなさそうな手紙。なんだろうなぁと朝食のテーブルで苦笑しながら考えていた。
◆幻冬舎のIさんから
『中田英寿日本代表全試合』と、宮部みゆきさんの『名もなき毒』(ともに幻冬舎)をいただきました。ありがとうございます! っていうかがんばって書くので怒らないでね。
実業之日本社さん『ジェイ・ノベル』5月号をいただきました。この号に『mourning two』の前編が掲載されています。後編は来月号に。僕と同じ中年4人が葬儀の帰りに、友人の自殺を止める為にロング・ドライブをしながら、80年代の若者だった頃をあれこれ回想していくというお話です。ぜひ。
コンサドーレ札幌は順調に勝ち星を重ねている。9節終えて、失点が3というのは驚異的なDF力だ。もちろんがっちり守ってからという試合運びがおもしろくないと感じるサポーターもいるのだろうけど、今期はそんなことは言ってられない。もう昇格しなきゃ駄目なんだ。その決意の現れだと思う。

4月16日(月) 子供たちへ
◆曇り。気温が上がらない。桜はまだまだ。
◆大好きなボーカリストの
アン・サリーさんも参加しているコンピレーションアルバム『りんごの子守歌』。ビートルズの歌を10人の女性ボーカリストがそれぞれに子供たちへ向けて唄っている。いいアルバムだ。子守歌というのは時代を越えて唄われているのだけど、さて、自分が子供の頃に、もしくは自分の子供へ、子守歌を唄ってくれたり、唄ったりしただろうか。僕の場合は父親の思いっきり調子っぱずれの下手くそな子守歌を覚えている。僕が音痴になったのはそのせいではないかと思ってるのだけど今さらしょうがない。それでは音痴な僕が自分の息子たちに子守歌を聴かせたかというと、実は聴かせてしまった。それも即興のオリジナルだ。お陰様で二人とも音痴だ。受け継がれるDNA。ちくしょうミュージシャンになりたかったのに。このアルバム、男性ボーカリスト盤もあるのだ。そちらもGOOD。
◆幼い頃に親に虐待を受け、捨てられ、施設で暮らす子供がいる。今でも嬉しい記憶として残っているのが、母親がいなくなる前に髪を切ってくれたことだそうだ。今までにない優しさで頭をなでてもらったことを覚えているという。嬉しかったと。ニュースの特集で見たのだけど、たとえようもない感情に胸がつまる。どんな親でも、子供にとってはかけがえのない親なのに。どうしてなのか。
◆車検をしたのだけど、とてもここでは言えない出来事があった。封印しておく。初めて買った車は三菱ジープだった。なので今でもジープには愛着がある。では何故初めての車をジープにしたのかというと、申し訳ないマンガの影響だ。高校生のときに読んだ、
たがみよしひささんの『軽井沢シンドローム』というマンガが大好きで主人公が乗っていたのがジープだったのだよ。すまん。実は影響されやすいです。

4月17日(火) 太った豚より痩せた狼だけど豚はかわいい
◆晴れ。穏やかな天気。ようやく春らしくなったかな。
◆喫煙者である。マナーは守る。っていうかマナーを守れない喫煙者は煙草をやめろと言いたい。で、写真はサーモンピンクのブタさんの灰皿だ。先日妻が買ってきてくれたのだけど、使えない。だって火を消すときにはブタさんの鼻の穴に煙草を刺すんですよ。なんか「ピギャーッ」って声が聞こえてきそうでかわいそうで使えない。なので机の上に立てて置いているのだけど、つぶらな瞳でじっと僕を見守ってくれているようでなごむのだブー。
◆昼間に作家の津原泰水さんから突然の電話。何かと思ったら昨日S社の編集のHさんと飲んだとか。Hさんは僕の担当でもあり、何故か僕の噂話に花が咲いたので「久しぶりだから電話した」とのこと。ありがとうございます。津原さんは年齢は僕より下なんだけど、もう二十年以上作家として活躍してこられて、いろんな意味で小説を書くことで戦ってこられた尊敬すべき大先輩。久しぶりでいろいろ話も弾んだのだけど、
平日の真っ昼間に電話で一時間以上も話し込むの四十男二人ヽ( ´ー`)ノ。
◆実は誕生日だった。なんか中途半端な年齢でイヤだ。さっさと枯れたジジイになりたい。というのも、僕はかわいい女の子が大好きだ(むろん妙齢の美女も好きだが)。頭の中では二十代の美しき担当編集さんと並んで歩く姿はきっと恋人同士に見えるに違いないと思っているのだが、実は親子ほどの年の開きがあるという現実にいつも_| ̄|○ もうどうせならおじいちゃんと孫まで開いてしまえばあきらめもつくのだ。
◆いや妻子持ちなのに何をあきらめきれないのだおまえは、というツッコミはなしでお願いします。

4月18日(水) 思い出は夜汽車に乗って
◆晴れ。穏やかな日。
◆昨日誕生日だと書いたらたくさんの人からお祝いメールをいただいて、なんだか気恥ずかしくなってしまった。ありがとうございました。で、それとはまったく関係ないこの写真はかの大阪万博の写真集だ。あの時代の国家的大プロジェクトと言っても過言じゃないんだろうな。僕は9歳だった。当然北海道にいるんだから行けるはずもなく、でも何故かどこに何があったのかを詳細に覚えている。少年マンガでもかなりページを割いて詳細に特集していたし、何より父と母が子供をおいて二人で出かけていったのだ。当時の父母は計算すると40歳前後。今の僕とそう変わらない年齢だ。推測するに新婚旅行なんかもままならなかった二人は、かなり遅い新婚旅行気分を味わいつつ楽しんだんじゃないかと思う。おみやげの〈太陽の塔〉のブロンズ像は今も僕の机の上にある。あの頃に夢見た未来はいったい何処へいってしまったのか。
サッカー日本代表U-22はシリアにアウェイで2-0で勝利し、最終予選進出を決めた。が、後半はよれよれだったね。シリアも大したことなかったので助かったけど、どうにも先行き不安だ。
小学館さんから〈きらら〉5月号をいただきました。ありがとうございます。連載『のこされるもの』の2回目が載っています。こちらは毎月連載なので、ぜひ! あと十回は続くと思います。
◆あーびっくり! 幻冬舎のIさんと夜中の0時に電話で
『21 Twenty one』の校正をしていたら、地震!! 震度3でした。強い縦揺れが一瞬だけあって、すぐに治まったけどびっくりしたー。もし強い地震でそのまま本棚に潰されていたら最期の瞬間に話していたのが幻冬舎のIさん(男性・たぶん恋人募集中)ということになって、Iさんの「小路さん?! しょうじさーん!!」という叫び声を聞きながら死んでいくことになってそれは少し淋しいかなと思ってしまった(Iさん、ジョークだからね)。

4月19日(木) やってみるといいよ。
◆晴れ。穏やかな天気。あちこちで春の芽吹き。
◆別に上戸彩さんに恨みはないし、カワイイと思う。でもね、彼女のドラマをね、観ないで音声だけ聴いててごらん。あまりの演技力のなさに腹立ってくるから。もちろんこの〈演技力の無さ〉は上戸彩さんだけではなくて、他の多くの(俳優ではないのにドラマや映画に出るタレント)たちに共通なんだけどさ。中にはその個性が役にはまって演技力がなくてもイケる場合もあるから、あながちタレントをキャスティングすることが悪いことでもないんだけどさ。写真はその個性だけでイケてしまったショーケンこと萩原健一の出世作『傷だらけの天使』のあまりにも有名なワンシーン(サントラ盤の写真)。
◆頼むから良質のドラマを作ってくれと何度もお願いしているんだけど、今のテレビ局にそれを望むのは幼稚園児に10分間じっとしててくれとお願いするようなものなんだろうか。
◆アメリカの悲惨な事件。この事件に限らず犯人は個人だということを忘れちゃいけない。国民性というのは確かにあるだろうし、教育と歴史観は無関係ではいられないだろう。国同士の長い関わり合いの中で何が真実で何が嘘かを見極めることは難しい。地球上の全ての国が、その身の中に多くの闇を抱えている。その闇はさながら迷宮のように複雑で誰もそれを解くことはできないような気がする。
◆過去の問題にいつまでも関わっていてはいたずらに時を消費するだけだ。それは責任逃れということに繋がるかもしれない。でも、今の私たちが行なうべきは、未来の地球のために、子供たちの未来を守るために、既に萌芽してしまっている無数の問題の芽をひとつひとつ取り除いていくことだと思う。
◆地中に拡がりすぎてしまった根は深く長く、それを取り去ろうとする試みは無駄だと思う。それができるとしたらきっと宇宙人が人類を侵略してきたときぐらいだろう。ならば、たくさんの土をその根の上に被せ、いつかその根が大地の栄養になることを祈り続けて光差す方向へ進むしかないじゃないか。

4月20日(金) 太った犬より痩せた狼
◆晴れ後曇り後雨。
◆散歩嫌いのせいもあるんだろうか。我が家の犬は太っている。少し食事を減らした方がいいんだろうか。写真はメスなのにあられもない姿で股間をなめているところを後ろから撮ったところだ。ごらんの通り丸々と太っている。現にこうやってお腹を折り曲げてしばらくペロペロとした後はガバッと顔を上げて「ゼェーゼェー」と苦しそうな声を上げるのだ。ゼッタイ太り過ぎ。こんなところ撮らないでよと怒られそうだが彼女がここを見ることはないので大丈夫だろう。ちなみに彼女が敷いているのは彼女専用の座布団だ。寝るときはここに大の字になって(コの字か?)寝ている。
◆今月発売になる
新潮社さんの『小説新潮』5月号に、短編『彼女が』が載っています。これは今回の特集の〈人生が二度あれば〉というお題をいただいて書いたもの。表紙に同じお題で〈浅田次郎・重松清・大崎善生・諸田玲子・小路幸也〉と僕も含めて短編を書かれた作家さんが並んでいるけど、いまだにこういうところに自分の名前があるのが信じられない。
◆もうすっかりあちこちで予約が始まっているのでもう一度書いておこう。今年初めての単行本は5月25日発売の
『シー・ラブズ・ユー 東京バンドワゴン』(集英社)です。考えてみたら『東京公園』(新潮社)を出してから半年も経ってからなんですね。集英社さんも随分気合い入れてくれて、今回は〈初版部数さらに倍!〉という感じできてます。数を聞いたときはマジか! と思いました。どうかひとつよろしくお願いします。
◆そういえばウェブ連載した
『カレンダーボーイ』は単行本にならないんですか? というお問い合わせをいただきましたが、予定はあります。現在鋭意進行中なのでしばらくお待ちください。

4月22日(日) 書けねぇー
◆晴れ。いい天気。
◆ここ何日か書けない日が続いてめっさ苦しんでいる。うんうん唸っている。するとどうなるかというと、一日中机の前に座っていて体力の消耗なんかないはずなのに一日に何度も布団にばったりと倒れて眠りこけてしまうのだ。書けないといっても明治の文豪みたいに白紙の原稿用紙を前に最初の一言が出てこないというわけじゃなくていやそれならむしろカッコもつくんだけど、僕の場合は書こうと思えばどんどん書けてしまうんだけど、それがどうしても納得いかないという自己矛盾。あぁ映画でも観たい。この
ジム・ジャームッシュの初期三部作『パーマネント・バケーション』『ストレンジャー・ザン・パラダイス』『ダウン・バイ・ロー』がセットになった〈JIM JARMUSCH EARLY COLECCTION〉が欲しい。欲しかったら買えよってなもんだけどさ。染みついた貧乏性からどうしても抜け出せない。
◆貧乏性と言えば、書けないなら気分転換にどこかへでかけりゃいいじゃん、とも思うのだが、唸っているとひょいと神が降りてくる瞬間がよくやってくるので机を離れられない。貧乏性だ。
◆いただきものを書き忘れていました。
集英社さんから『小説すばる』5月号、祥伝社さんから『小説NON』5月号をいただきました。ありがとうございます! 今号には僕の作品は載ってません。
あずまきよひこさんのマンガ『よつばと!』(メディアワークス)が好きだ。まだ6巻しかないので大人買いせずに、思い出したときに一巻ずつ買っている。よつばはいったいどこの国の子なんだろう。
コンサドーレ札幌はヴェルディに4-3で競り勝った。3点を取られたけれどよく盛り返した試合だった。これで単独首位。今の時期の首位には大した意味はないけど、こういう試合を勝てるというのは大きい。このまま突き進んで来期こそJ1に昇格だ。

4月25日(水) 元気です
◆晴れ。暖かい春らしい日。
◆人類の最期を描いた物語、いわゆる終末云々ですけどそういうものは数あれど、これを越えるものは書けないんじゃないかと常々思っている
ネビル・シュート『渚にて』(東京創元社)。いつか描いてみたいテーマではあるものの、ちょっと無理かなぁと思う。今の僕ならどう書いてもここに行き着いてしまうから。映画にもなっていて、その映画自体の評価はそれほどよろしくないようですけど、物語の重要なエピソードの場面は今も鮮明に残っているなぁ。SFと言えばSFなんだけど、全然。もうこれは純然たるヒューマンドラマ。読んでない人は絶対損してます。ってこの本の紹介は以前に何度もしてるんですけどね。なんかそんな気分だったんでもう一度。
◆集英社さんが毎月出している情報誌
『青春と読書』こちらですね)で、『東京バンドワゴン』のスピンオフ作品『オーバー・ザ・レインボウ 東京バンドワゴン』を6月号から連載します。という告知は既にしましたけど、終戦当時の〈東京バンドワゴン〉を描く物語なんであれこれ資料を読みあさっているんです。で、まぁわかっていたことなんですけど、驚愕する少年犯罪って昔の方が多いんですよね。昭和20、30年代のそういう記事を拾っていくともう毎月一回は目の玉が飛び出るような事件が。ネットにもそういうのをまとめたサイトがありますけど、読んでいるとどよーんとしてきます。
◆でも、それ以上に、当時の人々が本当に生きる力に溢れていたんだなぁというのが伝わってくる。必死になっていたと言い換えた方がいいかな。死ぬことより生きることが大事だと思えた時代。せっかく生き残ったのに死んでたまるかバカ野郎、という時代。今は、生き続けるためにはどうしたらいいかを考える時代なのかな。
◆がんばろう。何があっても。

4月28日(土) あとベホイミ2回ぐらいしかできないかも
◆晴れ。穏やかな日。
◆GWはありません。ええありませんとも。実家にも帰れませんしどこにも行けません。息子にもすまんと謝りました。まぁどっちみち貧乏暮らしだとわかっているので彼も何も期待してませんでしたけどね。気晴らしに映画ぐらいは連れて行ってあげようかなと思ってます。
◆さすがに精神的にも肉体的にもじわじわと疲労が忍び寄ってきた感じ。GW中にもうひとがんばりもふたがんばりもしなきゃならないんだけど、雰囲気的にはラスボスの迷宮であの階段を昇って扉を開けばラスボスだけど、もうMPが残り少なくて〈まほうのせいすい〉が1本と〈エルフの飲み薬〉が1本しかないような感じです。けっこうへたってます。昨日の夜はマジで吐きそうになった。編集者の皆さん、今小路に電話して優しい言葉を掛けると泣き出します(^_^;)。
◆そんな中で今日届いたのは
幻冬舎さんの『papyrus』。僕の短編連作『21 twenty one 4th』が載ってます。もう発売しているのかな? 佳境に入ってあと1回の連載で終了予定。単行本にもなる予定なので、よろしくお願いします。今号の表紙はご覧の通り蒼井優さん。いいよね。とても素敵な女優さんです。大好きです。『花とアリス』のDVDは持っているんですけど、今度『フラガール』も買おうかな。
◆また当分更新が止まるかも。みなさん良い休暇を。