2007年5月の日記

5月1日(火) メイフェア
◆晴れ。穏やかな春の日。
◆庭の桜の蕾もようやくピンク色をのぞかせた。もう少しで開花宣言。蕾の数からすると昨年並みに咲いてくれそうだ。
◆写真は〈細野晴臣トリビュートアルバム〉。とにかくもうもうもう素晴らしい! そこらのトリビュートアルバムがまるで幼稚園のお遊戯に思えてしまうほどの圧倒的な存在感。さすがとしか言い様のない出来ですな。
◆いただきものを。
東京創元社さんから大崎梢さん『サイン会はいかが?』(ミステリフロンティア)篠田真由美さん『風信子の家』(東京創元社)をいただきました。ありがとうございます! 
◆大好きな漫画家さんの
吉田秋生さんの新刊『海街diary1 蝉時雨のやむ頃』(小学館)を買った。鎌倉を舞台にした四姉妹の物語……ってあれ? こいつは『ラヴァーズ・キス』(小学館)に出ていたあいつじゃないか! そうかぁ嬉しい再会。素晴らしい。どんどん出してください。お願いします。
◆5月になった。何度も宣伝して申し訳ないけど(あぁでも自分のサイトだからいいのかー)、今月はデビュー作
『空を見上げる古い歌を口ずさむ』15日に講談社さんから文庫で刊行です。これについて、講談社さんの文庫サイズの月刊情報誌『IN・POCKET』にインタビューが載ります。そして25日には集英社さんから『シー・ラブズ・ユー 東京バンドワゴン』が出ます。前作は渋い赤が目立つ表紙でしたが、今回は緑です(クリスマスカラーみたい)。こちらに関しては、集英社さんの『メンズノンノ』にインタビューが載る予定です。よろしくお願いします。

5月3日(木) 歩いて帰ろう
◆晴れ。前日の雨上がりの気持ちの良い日。
斉藤和義さんといえばもうすっかりベテランのシンガーソングライターで僕の中ではアコースティックロックな人という印象。テレビ番組〈ポンキッキーズ〉で『歩いて帰ろう』が使われてヒットしたよね。うちの息子たちも大好きだった。そういえばコニーちゃんのゲームCDでいろいろ遊んだなぁ。あの頃はappleのperforma(ああ懐しい)が子供専用のマシンだった。で、斉藤和義さん、今はこの『紅盤』アルバムにも収録されている『ウェディングソング』がスマッシュヒット中。これには南佳孝さんや沢田研二さんのカバーが入っていたりしてこれがまたいい! あらためて斉藤さんの良さを確認できるいいアルバムに仕上がってます。必聴。
◆考えてみればGWに遠出しない実家に帰らないというのも、長男が生まれて以来だろうから、17年ぶりということになる。家でのんびり(執筆してるけど)するGWというのもいいかもしれない。
コンサドーレ札幌は下位の草津に1-2で開幕戦以来の負け。ダメダメの試合だった。しかし第1クールの最終戦でこの結果は気を引き締めるためにもかえって良かったのではないか。これで上位3チームは勝ち点差なし。4位も勝ち点差1。つまりこれからしばらくは毎試合首位攻防戦ということになる。ますますJ2はおもしろくなっていく。
◆世間の様々な問題については考え出すといろいろ腹が立ってきて気をそがれてしまうので眼を閉じ耳を塞ぐ毎日。なにせ書き下ろし上げなきゃならないんで。

5月4日(金) 桜咲くか
◆晴れのちくもり。ようやく札幌にも開花宣言。我が家の庭の桜も明日には咲きそうだ。
◆今もバリバリの浜田省吾さんではなく、
浜田金吾さん。現在は濱田金吾と表記を変えているようだけど、あの頃は浜田金吾だったのだ。もう26年も前のアルバムなんだなぁ。〈Gentle Travelin'〉というセカンドアルバム。なんと説明すればいいのか、当時の感覚で言えばお洒落なジャパニーズAORとでも言えばいいのか。New Yorkの風景とかバーのカウンターの男女とか、そういうラインでドラマチックでセンチメンタルな歌を作らせたらこの人の右に出るものはいなかったと思う。当時僕はまだシンガーソングライターになろうとライブ活動なんかやっていたけど、この人に影響されて作った曲も多かったのを記憶している。それにしてもこのジャケット。とても26年前とは思えないぐらいカッコいい。
◆昨日の日記にも書いた斉藤和義さんの『ウェディングソング』。きっとこれからの結婚式でスタンダードナンバーになりそうなぐらいいい曲なんだけど、ふと思う。当たり前なんだけど、結婚式ってやっぱり女性のためのものだよなぁと。男の立場から結婚式を歌ったって絶対いい曲になりそうもないもんね。なんか毎月のように友人の結婚式に出席していた20代半ばからのころを思いだしていた。僕には息子しかいないんだけど、願わくば将来、息子の結婚式でその隣にいるのはカワイイお嫁さんであることを祈る。切に祈る。無理かもしれんが頼むって。

5月5日(土) 桜咲く
◆晴れ。少し風が冷たかったけどいい天気。
◆庭の桜が咲いた。なかなか花をつけなかった桜も十年が過ぎてようやくたくさん花をつけるようになった。嬉しい限り。実家の庭から株分けして持ってきた桜なのだけど、いったい何桜なのかわからない。あ、そういえばこの桜はデビュー作で書いたあのパルプ町にあった〈サクラバ〉の桜だ。あれからもう四十年近い年月が経っている。この桜はいったい何歳になるんだろう。
◆以前にも書いたけど、北海道は日本で一番最後に桜前線が辿り着く場所。日本で最後の桜が見られる場所だ。冬の間に雪に隠れていたゴミもちゃんと拾ったので(^_^;)、いちばんきれいな良い時期になってきています。おいでませ北海道。
◆リカちゃん人形が誕生40周年だとか。僕は姉が二人いたので、リカちゃんも気がついたらすでに部屋にいた(^_^;)。実は人形遊びが好きな男の子で、いろんな人形を持ち出して一人で延々とお話しを作り出して遊んでいたのを記憶している。リカちゃんも仲間に入れたかったのだが、姉に触るなと怒られるので我慢していたような気がする。変な子だったかも。
◆いちばん記憶に残っている古いおもちゃは、電池で動くサンダーバード4号と2号に格納されているジェットモグラだ。なぜまたそんなマニアックなものを2つも買ってもらったのかまるで記憶がない。でもその雄姿は今もはっきりと思いだせる。

5月6日(日) 君をさがしている
◆晴れ。穏やかな日。
◆庭の桜もどんどん花が開いてる。どうして桜が咲くというだけでこんなに胸が躍るのだろう。胸が躍るといえば、写真の
佐野元春さんのニューアルバム〈coyote〉。発売は6月なのでまだまだ先なんだけど、もう今からわくわくしてしょうがない。今度はいったいどんな風景を僕らに見せてくれるんだろう。コピーは〈二十一世紀の荒地を往く者たちに〉。くそぉ、カッコよすぎるぜ。この人の背中に追いつける日は来るんだろうか。でも一生追い続ける存在でいてほしい。その背中を見せ続けてほしい。
◆僕たちの世界はすでに荒野を失い、そこに存在するのは都市の皮を被った巨大な獣の屍ばかりなのかもしれない。その獣は血肉を失い中に流れる川はデジタル化された情報に溢れている。僕たちは鋼の杖をつき、二十一世紀という名の荒地を行く旅人だ。いつか出会えるだろう君をさがしている。
コンサドーレ札幌は第2クールの初戦を仙台と。1-0でしぶとく勝ちを得た。良い試合だったと思う。全員が前節の気の抜けた敗戦を糧にしているのがよくわかった。これで勝ち点差無しでの2位。まだまだ気を抜かないで上位陣に食い込んでいくのがいちばん大事。目標は第2クールが終わっても最低上位3チームとの勝ち点差5以内であることだな。
ポプラ社さんからストーリー&エッセイマガジン〈asta*〉6月号をいただきました。ありがとうございます。宣伝していいということだったのであらためて告知。えーと8月号からかな? 『COW HOUSE』(仮題)という連載が始まります。まだ書いてないんだけど(^_^;)。がんばります。

5月7日(月) どうにかなるさ
◆晴れ。夜になって雨が降り出した。
◆近年見た中ではたぶんベスト5に入る
ソフィア・コッポラ監督の映画『Lost In Translation』のサントラ盤がこれ。映画パッケージの方がスカーレット・ヨハンセンなのでそっちの方を載せようかと思ったけど、まぁいいか。サントラだけ聴いても映画の雰囲気がしっかり伝わってくる好アルバム。おじさまキラーと呼ばれてるらしいスカーレット・ヨハンセンだけど、この映画を観るまでは「ふーん?」と思ってたんですが、観て納得しましたね。東京に行くときにiPodでこのアルバムを聴きながら空港に着いてモノレールに乗ると気分はもうビル・マーレィです(^_^;)。あ、タクシーの方がいいのか。でも空港からホテルまでタクシーで行くような身分じゃないからしばらくはおあずけだ。野望に追加しておこう。
◆野望といえば、以前に何回も書いたポール・スミスのこの鞄が欲しいという野望は果した。写真はゴールドに見えますがアルミトランクなのでシルバーです。
◆昨日の日記で
ポプラ社さんの〈asta*〉8月号から連載開始と書きましたが訂正です。8月発売の9月号からです。今年中に始まる連載としてはもうひとつ『別冊文藝春秋』さんで11月号あたりからのがあります。こちらは博物館を舞台にするものの予定。
◆野望といえば、今後の書き下ろしで2つばかりぜひ書いてみたかったものの予定がある。まだどうなるかわかんないけど某社の編集さんは「やりましょう!」と言ってくれた。三年後ぐらいだと思うけど、オマエごときが書いていいのか! と怒られそうなぐらいのスゴイもの。でも書きたい。

5月9日(水) 写真入れ替えました
◆晴れ。
◆突然だけど僕の血液型はAB型である。小さいころの少女漫画では薄幸のヒロインの血液型と言えば間違いなくRhマイナスAB型であった(珍しい血液型らしい)。輸血しようにも血がなくてあはれヒロインの運命は! ってなことになるのだ。なので、ちょっとAB型であることに優越感を感じていた。それとはまったく関係なく、写真は日本のスーパーバンドだった
〈AB'S〉のセカンドアルバムだ。確か1983年ぐらいだと思うから、これも四半世紀ほども前になってしまうのか。知る人ぞ知るSHOGUNの芳野藤丸さんを中心にスーパーギタリスト松下誠さん、スペクトラムにいた渡辺さんに岡本さんにさらにPARACHUTEにいた安藤さんという、たぶん知らない人はわけわからないだろうけど、要するにインパクトで言えばスカパラとB'zとサザンとミスチルがバンドを組んだぐらいの感じを想像していただければいいだろうか(大分違うがとにかくすごいのだ)。最近復活して活躍してくれているようで嬉しい。できれば旧譜も発売してほしいのだが。何せLPしかないもんで。
◆先日講談社の文庫サイズの月刊情報誌
『IN・POCKET』のインタビューを受けてそのときに写真も撮ったのだけど、カメラマンの中村將一さんの御好意でプロフィールのところにその写真を使わせてもらえることになった。さすがプロが撮った写真である。少しは男前が上がったように見えるだろうか。ま、顔で作品書くわけじゃないんで別にいいんですけど。
◆どうも眩暈がひどい。地震かと思ってしまう眩暈が夜中に何度も起こる。悪い病気じゃなければいいんだけど。やだなぁ。

5月10日(木) さて、皆さん
◆曇り。パッとしない天気。
◆名探偵が好きだ。大好きだ。なんなら叫んでもいいぐらい大好きだ。初めて物語をおもしろいと思ったのは江戸川乱歩の少年探偵団シリーズだったし、小説を読むふけるようになったのはエラリィ・クィーンがきっかけだった。由緒正しき筋金入りの探偵小説好きだ。物語も佳境に入ったところで、関係者を集めて「さて、皆さん」と探偵が話を切り出し、見事な推理を披露して事件を解決する。ワクワクする。いつか自分でもそんな物語を書いてみたいと思ってはいるのだが、そうは問屋が卸さない。難しいのだよワトソン君。だから、いつの日かそこらの探偵どもがひれふすような理想の名探偵を創りだして、見事な推理を披露させてみたいというのは、野望だ。構想はあるのだけどねー。
◆昨日書いたカメラマンの中村さんのお名前を間違っていました。どうもすいません中村さん。訂正済みです。
◆高野連の対応はどう考えてもおかしい。以前から高野連って存在そのものがおかしいと思ってはいたけど。組織ってやつは、化け物になる。どんなまともな神経の持ち主でも組織の中に組み込まれるとそこでの常識に染まってしまって、周りが見えなくなってしまう。一度でも組織に組み込まれたことがあり、そこを外から見ることのできる環境に身を置いた人なら実感できると思う。
◆いつも思うのだけど、ニュース番組などのコメンテーター。まぁそれぞれの立場でその事件に関してコメントをするのだけど、あれって、どうにも歯がゆくないですか? 言いだすと長くなるので割愛。

5月11日(金) 『空を見上げる古い歌を口ずさむ pulp-town fiction』文庫化
◆晴れ。風が少し強かった。
◆デビュー作の文庫本は15日に発売です。今日見本が届きました。こんな感じです。イラストは工場とか社宅っぽいものに桜をイメージした感じでしょうか。帯を外したものはこちらに。例によって装幀も帯もお任せ状態なんですが、もう少し余裕が出てきたら、自分でやりたいなぁと思います。中身も書き直ししてません。そのまんまです。いろいろ考えたのですが、やはりこのときの自分はそのままに残しておこうと思いました。
◆解説の佳多山さん(解説ありがとうございました!)も書かれているようにやはり自伝的な部分は多々あります。パルプ町で暮らしていたころ、排水口のところで釣りをして、タンカス山にも登って、ボロ寮にも入り込んで、10円拾って六角交番のお巡りさんに届け、丸太からクワガタを取っていました。父や母や姉と一緒に、木造の二階建ての社宅の居間で皆揃ってホームドラマやプロレスや紅白歌合戦を見ていました。町のあちこちに自分たちだけの基地を作って、毎日のように遊んでいました。その日々をしっかり残したかったんだな、というのは、ゲラで読んで改めて感じましたね。どうぞよろしくです。
◆そうか。2003年の4月にデビュー作が出たんだから、丸四年が過ぎたのか。五年目に突入かー。いつまでも新人だなんて言ってられないなーこりゃ。まずい。気を引き締めてがんばろう。

5月13日(日) 本棚を作ろう
◆雨が降ったり。
◆晴れたり曇ったり雨が降ったりして忙しい天気の一日。実は次男がインフルエンザにやられていたのだが、なんとか全快。しかしこちらがなんとなく熱っぽい。嫌だなぁ。そんなご主人様たちの様子には何の関心も示さずに我が家の犬は元気だ。もう老犬なのに元気だ。写真は近所の公園の小山のタンポポ畑と化してしまってる片側。春だなぁの一枚。なんかものすごい大草原に見えなくもないがどこの公園にもありそうな土を盛った小山だ。息子たちが小さいころはここで初めてのスキーを練習したものだ。むろんこの犬のひもにソリのひもを結びつけて引っ張らせてみたりもしたが嫌がって全然ダメだった。
◆部屋の本をなんとかしなきゃならない状況になっている。実は家を建てたときには子ども二人目を作る予定がなく、というか全然できなかったので(息子たちは七つ年が離れている)家族3人用の間取りしか考えていなかった。ところがどっこいできてしまったので、必然的に僕の部屋がなくなり、寝室に使う予定だった部屋を現在は執筆部屋にしている。その部屋がもう半分本に埋もれている。いろいろ考えたのだがあと5年は息子たちの部屋は二つ取っておかなければならないだろうから、あきらめて本棚をなんとかすることにした。部屋の空間を生かしたピッタリサイズで尚且つ将来は簡単にバラせるものをとなると、ここは手作りしかあるまい。これからいろいろ考えて準備をして夏休みの宿題にすることにした。どうなることやら。乞うご期待。

5月15日(火) 久しぶりの恐怖
◆晴れ。穏やかな春の日。
◆デビュー作の文庫化
『空を見上げる古い歌を口ずさむ pulp-town fiction』(講談社文庫)が発売されました(本当にタイトル長すぎっ! と自分でも思う)。よろしくお願いします。写真は古い歌と言えば確かにそうなんだけど、昼間にラジオで聴こえてきて懐しくなった〈柳ジョージとレイニーウッド〉のラストライブアルバム。横浜が〈ヨコハマ〉あるいは〈YOKOHAMA〉だった時代の最後のサムライかもしれない柳ジョージ。日本でブルースを表現できるミュージシャンは数少ないのだけど、その中の一人。あの頃は時流に乗ってCMソングなんかもヒットしてテレビに出るロックミュージシャンとして定着してしまったけれど、その神髄はやっぱりロッカブルース。横浜をカタカナで発音して許される人なんだ。
角川書店さんから『野性時代』6月号をいただきました。ありがとうございます。実業之日本社さんから『ジェイ・ノベル』6月号をいただきました。これには連載『mourning〈two〉』が載っています。よろしければぜひ! それから講談社さんから『IN・POCKET』5月号をいただきました。これには『空を見上げる古い歌を口ずさむ pulp-town fiction』についてのインタビューが載っています。あることないこと喋ってますけど(^_^;)、よろしければどうぞ。
◆夜の11時頃に我が家の犬の就寝前のトイレで外に行くんだけど、いつもの街灯の狭間の草むらに向かうと、そこに佇む小さな人影のようなもの……動いていない。じっとこちらの様子を窺っているような……久しぶりにぞっとしたんだけど、正体は同じように犬のトイレに出てきていたご近所のおばさんでした。犬がおしっこしてる間、じっと立ってたんですね。あーびっくりした。

5月16日(水) 大草原の小さな家
◆晴れ。暑いかも。シャツ一枚で過ごせた昼。
◆アメリカのテレビドラマ
『大草原の小さな家』だ。ようやくシリーズがDVDで発売されるとか。実は妻が大好きだったのだ。ビデオにも録ってはいたんだけど途切れ途切れだったしもう古くて劣化もしている。なので妻孝行でDVDBOXを買ってあげようと思う。
◆僕はそれほど熱心には見てなかったけど、アメリカ開拓時代の雰囲気は好きだった。原作はローラ・インガルス・ワイルダーのほぼ自伝的小説であり、当時のアメリカには先住民族や黒人奴隷やらの陰の部分があったのは間違いなくて、その部分をほとんど省いたアメリカ万歳ドラマだとする向きもあるだろう。でも、何もない土地を耕し、家族を守り、町を愛し、一生懸命に生きていこうとする普通の人々を描いたドラマの傑作であることには間違いないと思う。
◆北海道はよく開拓精神をこのころのアメリカと重ねる部分がある。たしかに先住民族との問題やら広い大地やらイメージ的に同じところはあるのか。まぁでも親父がよく言っていた「北海道に住む人間は三代遡れば食いつぶれ者と罪人とかけ落ち者ばかり。それでも助け合わないと、この厳しい大地では生きていけない。だから、過去なんか問わないし訊かないしそんなものはどうでもいい。今ここに居るんだから、助け合って生きていこうってな」僕らは、そうやって北の大地で生きてきた人たちの子孫だ。
◆親父の話では僕は入植してきたひぃじいちゃんから数えて四代目らしい。ま、嘘はつかないけど誇張するクセのある家系らしいから眉唾だけどね。

5月17日(木) ララバイ
◆曇り。夕方から雨。
◆以前紹介した
〈りんごの子守歌〉の男性ボーカル版。ビートルズの曲を子守歌のようなアレンジで綴った名盤だと思う。メンバーは知らない名前もあるけど、ハナレグミとか細野晴臣の名前も。
◆また、子どもの命が失われていく悲しいニュースが続いている。子どもたちが、限りない未来を抱えた子どもたちが、子守歌を聴きながら楽しい夢を見られるような毎日を、心から望む。
◆サッカー日本代表U-22。いやいやいや、長いことサッカーファンやってるけど、あんなフリーキックを見たのは初めてじゃないか。よく魔球という表現があるけどそれは漫画の中だけであって現実にはないんだけど、あれは魔球と言ってもいい(^_^;)。解説者も笑っていたけど、本当にもう驚いた後に笑いがとまらないほどのものすごい球筋。まいりました。名古屋の本田くん、あのフリーキックを5本に1本打てたら君は世界的ヒーローになれる。
◆先日
ブルース・ウィリス主演の『16block』を観たんだけど、なかなか良かった。ブルースが演じるダメ男がけっこう好きで、いちばんのお気に入りは『ラスト・ボーイスカウト』という映画だ。まぁ正直そんなにイイ出来の映画ではないと思うんだけど、好きだ。『16block』もこの系譜のものだと思うんですが、きっとこれらの映画を好きな中年男とは仲良くできそうな気がする(^_^;)。

5月18日(金) オーヴァー・ザ・レインボゥ
◆小雨日和。そんな言葉はないか。でもちょっと可愛いかも。
◆喫煙者だとここでは何度も書いている。で、嫌煙、じゃないか、煙草撲滅に一生懸命な方々の邪魔をする気もないし、煙草の害について論議しあう気もさらさらない。誰かが私に向かって「吸うな」と言うならその人の前では吸わない。受動喫煙の害について説くのなら「一人で部屋にいるときしか吸いません」と言う。ただそれだけの話だ。shakaさんのところで拾ったこんなコラムにshakaさんと同じように嫌な違和感を覚えたので書いておく。みなさん、煙草は百害あって一利なしなんです。ゼッタイに吸うんじゃありません。いいですね? みんな揃って健康な生活をおくりましょう。
◆あぁごめん、オレ幼稚園の頃からそういうのがいちばん嫌だったんだ。「みんな一緒に」ってのが。
集英社さんから『小説すばる』6月号をいただきました。ありがとうございます。同時に『青春と読書』6月号をいただきました。今号から『東京バンドワゴン』のスピンオフ作品『オーヴァー・ザ・レインボゥ 東京バンドワゴン』が連載されます。昭和20年、運良く戦火を逃れた〈東京バンドワゴン〉での、勘一とサチの出会いから始まる二人の青春物語です。どうぞよろしくお願いします。
◆いつもの元同僚たちとの集まり。ディスプレイデザイナーのYは仕事でロスに行って帰ってきたばかり。カッコイー。でも今アメリカに行ったら煙草吸えないんだよね。もう海外旅行できないかも。

5月19日(土) 19の頃
◆また雨まじりの天気。まぁしかし雨が降らなきゃ虹も架からない。
◆19の頃、今の言葉で言えば僕はフリーターだった。学校も辞めてミュージシャンになるとか言ってバイトバイトに明け暮れる毎日だった。札幌に来てすぐに面接を受けた喫茶店(今で言えばカフェ)の店長が、僕の長い髪を見て「髪、切れるか?」と訊いた。その店はモノトーンを基調にしたまぁお洒落な店で、アルバイトも皆こざっぱりしていた。僕の長い髪はその雰囲気に合わないから切れるか? と店長は訊いたのだ。僕も面接に来て初めてその雰囲気を知って、マズイかな、と思っていて、しばらく悩んだ。時給はいい。何より店の雰囲気がいい。でも、その当時、長く伸ばした髪を切るということは何かしらのアイデンティティを失うようなものだった。なので、しばらく考えた後に「切れません」と言った。店長は「そうか」と、「じゃあ、ウチでは雇えないな」と僕に告げた。「わかりました。失礼します」と帰ろうとした僕を見て、店長はニヤッと笑ってから言った。「その気持ち、忘れんなよ」と。店を出てからもずっとその店長の言葉が残っていた。
◆だから、今も僕はその気持ちを忘れていない。写真はその頃によく聴いていた〈ランディ・ヴァンウォーマー〉のアルバムだ。〈アメリカン・モーニング〉という邦題のタイトルチューンがいい。
◆僕は、恵まれたアルバイト生活をしていたかもしれない。振り返れば僕を雇ってくれたオーナーたちは皆いい人ばかりだった。若い僕らを自由に働かせて、同時にお金を稼ぐことの大切さを教えてくれた。アルバイトは、人生の勉強の場だったと思う。
◆ま、今も言ってみればフリーターなんですけどね。

5月20日(日) 『シー・ラブズ・ユー 東京バンドワゴン』
◆晴れ。でも風が強くて冷たい。日陰は寒いぐらいだ。
◆今月の25日、もうすぐ出る新刊
『シー・ラブズ・ユー 東京バンドワゴン』(集英社)の見本が届きました。こんな感じです。イイ感じですねー。帯を取ったものはbooksの方に。今回も装幀は鈴木成一さんで、イラスト(版画です!)はアンドーヒロミさんという前作と同じコンビ。アンドーさん、今回は本とコーヒーカップをモチーフに版画を作ってくれました。素晴らしい。この版画欲しいかも。
◆内容は言うまでもなく、前作の続きです(^_^;)。二、三日後のクリスマスの日から話が始まり、冬春夏秋と進んでいきます。じゃあ次は秋からかい、となるとまだわかりませんけど、もう年に一回『東京バンドワゴン』を出すぐらいの勢いです。堀田家の皆もご近所の皆さんも、もちろん語り手のサチも健在(?)です。どうぞよろしくお願いします。
◆ありがたいことに、なんとオリジナルの店頭POPも作ってくれました。表紙にも見えるアンドーヒロミさんの絵をそのまま使い、本型のPOPになりました。ついさっき80枚近く手書きしたので(^_^;)、お近くの本屋さんで見られるかもしれません。
コンサドーレ札幌は下位の水戸を3-0で危なげなく破って首位をキープ。DFの要であるブルーノが怪我で途中交代したのだけど、それをまったく感じさせることのない安定した試合運び。実に頼もしい。FWの得点が少ないのが今後の課題だけど、このまま突き進んでいただきたい。

5月24日(木) なにということもなく
◆札幌も東京も晴れ。でも明日は東京は雨だとか。
◆写真は好きだ。撮られるのはそれほど好きではないけど、撮るのは好きだ。中学生の頃、ミノルタとオリンパスのどちらがいいかを友人といろいろ話したことがある。僕はミノルタ派で、友人はオリンパス派。もちろん中学生の分際で当時の一眼レフなどを買えるはずもなく、ただただカタログを眺めていたのだけど。写真は
ホンマタカシさんの写真集『TOKYO SUBURBIA』。同じところを同じカメラで撮ったとしても、その人によって空気感が変わる。写真は不思議だ。
◆東京に居る。明日発売の新刊
『シー・ラブズ・ユー 東京バンドワゴン』のサイン本を作ったり書店さんを廻ったり。キャンペーンですね。初めてこんなことします(^_^;)。ありがたいことです。元が広告屋ですからね。基本的には販促のためならなんでもします。あ、ヌードになる以外は(んなもの誰も望まん)。例によって、時間がないので東京関係の友人の皆様にはまたごぶさたしてしまいますが、この次こそなんとか。
◆だってせっかくの東京の夜なのに、こうしてホテルの部屋で一人で執筆中(今は息抜きで更新ね)。締切り間にあわねぇ。
コンサドーレ札幌は湘南と戦い、2-1の逆転勝ち。DF2人離脱でどうなるかと思ったが、多少の連携不足はあったが安定感は変わらなかった。得点はフリーキックを直接ぶちこまれたのであれはもうしょうがない。何より開幕戦以来初めて先制されたのに、慌てなかった。強いな。DFの看板2枚が落ちたのにも関わらず、逆転で勝てるというのは、強い。

5月25日(金) 『シー・ラブズ・ユー 東京バンドワゴン』発売
◆雨。こんなに雨の中を歩いたのは何年ぶりだろう。
◆ここでも何度も紹介しているけど、今現在愛して止まないミュージシャンの
中山うりさんがついにメジャーデビューした。写真がファーストアルバム〈DoReMiFa〉。収められている曲は既にiTuneで配信されているものも多いんだけど、新曲もある。ごひいきのミュージシャンはあんまりメジャーになってほしくないっていうのはファン心理だけど、ますます大きく羽ばたくためにも売れていただきたい。何度も言いますが僕の中で「東京バンドワゴン」のテーマソングは中山うりさんの〈ノスタルジア〉です。むろんこのアルバムにも収録されてます。
◆で、
『東京バンドワゴン』の続編『シー・ラブズ・ユー 東京バンドワゴン』(集英社)が発売されました。今日は書店さんを廻ってご挨拶&サイン本作り。書店員の皆様お忙しい中ありがとうございました。よろしくお願いします。集英社の皆様ありがとうございました&お疲れさまでした。まだまだ頑張りますのでよろしくお願いします。というわけで読者の皆様もよろしくお願いします。
◆もちろん全ての作品を真摯な気持ちで書いているんだけど、それだけじゃダメなような気がしている。自分の中にあるものを出し切るように書いてはいるけれど、プロの作家としてのろ過装置のようなものを、しかもオリジナリティにあふれたものをアタッチメントで交換していろいろ使いこなせるように。さらにそのろ過装置は限りなくピュアなものでなければダメなんだ。なんてことを思う夜。

5月26日(土) 物語は終わらない
◆東京は晴れ。札幌は曇りときどき雨。気温差は13度。はっはっは。
◆自分が今一体どこに立っているのだろう、ということを初めて意識したのは彼の歌を聴いてからなような気がする。その名を知らなくても歌を聴けば誰もが聴いたことはあると思うはずの人、
ジョー・コッカーだ。まったくの語訳なのかもしれなけれど、今ここで歌っていることが私には喜びであり、改めて確認しなければならないことなんだ、と歌った彼の渋い歌声を聴いて、当時ミュージシャンになりたかった小路青年もそんなことを考えたような気がする。しかしこのじじぃの声は本当に渋い。完璧な渋さだ。
◆昨日、集英社さんで拙著『東京バンドワゴン』に関わってくれている皆さんが集まってくれてご飯を食べた。この日記にも登場する編集のWさんとHさんと宣伝担当のAさんの美女三人に販売を担当してくれているナイスガイMくん(Mくんお子さんによろしく)。皆、二十代半ばの若者たちばかり。そして二十も年が離れたおっさんが書いたしょうがない物語を愛してくれて、一生懸命に売ろうとしてくれている。ありがたい。本当にありがたい。皆の前では隠していたがホテルに帰って一人部屋で号泣していた。とても足を向けて寝られないので今夜から枕の位置を変えるつもりだ(ごめんちょっと嘘ついた)。そうやってたくさんの人が関わってくれた一冊の本が書店さんから読者の皆さんに届く。生み出した物語は終わることがなく続いていく。肝に銘じよう。

5月27日(日) パラダイスはどこにある
◆晴れたり曇ったり。
◆ムーディ勝山っていいね。それとはまったく関係ないんだけど急に聴きたくなったんだけど
山下達郎のアルバム『FOR YOU』だ。82年の作品だというから25年前。うーん。80年代という時代の象徴的なアルバムでもあるな。あの頃の空気がわからない人はとりあえずこれと大瀧詠一『A LONG VACATION』を聴けばいい。いろいろな意見はあるだろうけど、パラダイスというものがこの世のどこかにあると信じられたような時代だったと思う。いやマジで。
コンサドーレ札幌は福岡と戦いまたしても先制されたものの、後半開始直後とロスタイムに加点して逆転勝ちというもうシナリオがあったかのような勝ち方。素晴らしい。DFの2枚看板で17試合で10失点という驚異的な最少失点を支えてきたブルーノと曽田が出られない試合でどうなるかと思ったが、とにかくチーム全員の意識が一致している。同じ方向を向いている。これはなかなかできることじゃない。強い。これで2位に勝ち点差10をつけた。だけど、難しいのはこれからだ。このチーム状態をどこまで維持できるかにかかっている。
三省堂書店京都駅前店さんがめちゃくちゃありがたいことをしてくれている。こちらのブログをどうぞ。ぜひこの目で見てみたいものだけど京都は遠い。他にも『シー・ラブズ・ユー 東京バンドワゴン』をものすごい展開してくれているお店はたくさんあるんです。本当にありがとうございます。あの、催促するわけじゃないんですけど、もしメールなどいただければこちらで紹介させていただきますので。

5月29日(月) 祝・増刷
◆曇り。少し風が冷たかった。
◆騒ぐのも恥ずかしいのだが記録のためにも書いておく。皆様のおかげで
『シー・ラブズ・ユー 東京バンドワゴン』(集英社)は発売四日で増刷決定! 素晴らしい。まさかこんなに早く増刷決定するとは思ってもいなかったです。確か前作も発売一週間ほどで決まったんですがそれより早いし、なんといっても今回は初版部数が前作の倍以上でしたからね。増刷にはしばらく時間かかるかなーと思ってたんですが。で、さらにですね、前作『東京バンドワゴン』も六刷が決定しました! ありがとうございます。半年ぶりぐらいの増刷ですね。本当にスタッフの皆さんと書店の皆さんと買ってくださった読者の方のおかげです。ありがとうございました。こうなったら目指せ三刷・七刷ってことでよろしくお願いします。あ、写真は何の関係もないんですが、庭のリンゴの木の花。昨年以上に咲き乱れているので今年もリンゴが採れそうです。
◆とはいえ、浮かれてはいけない。お前はまだどこにも到達していない。まだまだだぞ小路幸也。
◆サイン本のことを掲示板なのでよく訊かれるのですが、全国の応援してくださる書店さんに少しづつですが入っているはずです。その数おおよそ500冊(^_^;)。全部この間東京行った時に書いてきました。同じように各店さんに送った手書きPOPもそれぞれ言葉を変えてますので、見かけたら笑ってやってください。