2010年2月の日記

2月1日(月) 日々
◆晴れたり曇ったり雪が降ったり。
◆かなりの量の雪が降っている。しかもこれからしばらく天気が悪化の一途を辿ると。いやーだからできれば冬に東京には行きたくないんだよね。心配性で小心者なので飛行機か飛ぶかどうか前日からやきもきしちゃうんだよね。その前にJRが動いているかどうかの心配もあるし。あ、別に東京に呼んでくれた担当さんに文句言ってるわけじゃないですからね。東京に行くのは楽しいです。老婆心ながら念のため。まぁでもずっと家に閉じこもってるし、そういう刺激を与えとかないとダメになるよね。どんどん年喰っていくんだし。何事も前向きに考えよう。
◆写真は、来たよDVD! 祝発売日決定! 個人的には昨年度で最高に楽しかった映画のひとつ
〈パイレーツ・ロック〉!! いやー、早く発売日が来てほしい。もう一度隅から隅まで観たいし、聴きたい。サントラ盤は既にもうヘビロの一枚になっているけど、ただひたすら馬鹿騒ぎとロックしているだけの映画を早くもう一度観たい。本当に楽しかったのでもう一度言おう。〈パイレーツ・ロック〉最高!
徳間書店さんから『本とも』をいただきました。ありがとうございます。

2月3日(水) 東京
◆晴れ。
◆心配した天候もなんということもなく、寒さだけが今季最低気温を記録。札幌近辺でもマイナス10度を下回った。東京もそこそこ寒いらしいのだけどはっはっは、逆に心地良いわい。河出書房新社さんから出る『DOWN TOWN』のインタビューなどを受けるために上京。ついでに乗っかっていくつかの打ち合わせも。河出さんに行くと、全国の書店さんから手書きポップが欲しいとの注文があってその数は200枚以上! 驚きました。本当に全国の書店さんからいただきました。ありがとうございます。こんなに書くのは初めてですが、なんとか滞在中に書きます。写真は何の関係もない〈ドラゴンクエストVI〉。いやーすっかり忘れてるよ。
◆ホテルでとんでもない事実が発覚。MacBook Proのドライブがご臨終になっていた。ついに来たか。前からなんかあやしかったんだけどなー。CDもDVDもかけられなくなってしまった。とりあえず仕事には何の影響もないけど、いやーどうしようかな。これは迷う。とりあえずはAppleの動向待ちか。いろいろ考えておこう。
◆持ってきたDVDも観られなくなったので、必然的にポップ書きに専念する形に。神様がそうしろと言ってるんだなこれは。

2月5日(金) 日々
◆晴れたり曇ったり。
◆天候にも恵まれ帰宅。真冬に東京に行ったのは久しぶりだなぁと。いつもは避けてるからね。河出書房新社の皆さんお世話になりました。無事に帰ってきました。インタビューを何本を連続でやるのは久しぶりだったんだけど、さすがに疲れていた。以前に三本ぶっとおしでやったときには芸能人のつらさがわかったもんなぁ。新潮社のOさんGさん、集英社のWさんMさんもお疲れさまでした、ごちそうさまでした。ゲラとか原稿とかがんばります。写真はしょうもないタイトルだけど
沢田研二ことジュリー〈沢田研二A面コレクション〉。この豪華さは凄いんだけど、ジュリーの凄さはやっぱりDVDで出してもらった方がわかると思う。あれほどのステージングパフォーマーはもう出てこないと言っても過言ではないのじゃないか。歌手の殿堂入りとかあるとしたら確実にジュリーを入れなきゃならない。
小学館さんから『STORY BOX』をいただきました。ありがとうございます。
◆朝青龍とか小沢とか世間を騒がせていることにまるで興味はないのだが、ひとつだけ言えることはどちらもきちんとしてないってことだな。許すも許さないもない。いい大人なんだからきちんとできなかったら謝って責任を取るのは当たり前のことなのだ。

2月6日(土) 日々
◆雪が降った。
◆いつもの元同僚のメンバーで遅い新年会で飯を食べながらサッカー日本代表の中国戦を観たわけだが盛り上がったのは楢崎のPKセーブの瞬間だけという日本全国のサッカーファンと同じ状況。まぁ選手たちがいちばんわかっていることだろうからとやかくは言わん。決定機があったので決めていれば勝った試合。決めなかったのでこういう結果になったというだけだ。岡田監督もさぞや叩かれることだろう。確かに中国は予想を遥かに上回るサッカーをしてきた。苦戦するのもしょうがないと思えた。でもそこを越えなきゃならないのに、越え(そうな)るポイントが相変わらず見えない。いや見えたけどそれが中国の必死のディフェンスに止められてる。じゃあそこからどうするんだというものが感じられない。岡田監督のコメントも「劇的に状況を変えられる選手がいなかったから選手交代を使わなかった」とはどういうことなのか。海外組にしかそういう選手はいないということか。なんだかなぁ、だ。写真はコミック
『高校球児ザワさん』。ザワさんを真剣さ必死さを見習え。思うに日本に足りないのはもはや技術ではなく、相手を殺すほどの真剣さではないのか。まさに侍が持たなければならない気迫。
メディアファクトリーさんから『ダ・ヴィンチ』をいただきました。ありがとうございます。
集英社〈RENZABURO〉で不定期連載している『フロム・ミー・トゥ・ユー 東亰バンドワゴン』ですが、諸事情で次回から2回ほど集英社の『青春と読書』に掲載します。ま、ぶっちゃけ新作である『オール・マイ・ラビング 東亰バンドワゴン』絡みですな(^_^;)。あ、タイトル書いちゃった。いいか、いいよねもう。まだ未定の部分はありますがとりあえず次回は『青春と読書』に掲載されます。今回の語り手は小料理居酒屋〈はる〉の板前コウさんです。

2月8日(月)
◆晴れたり曇ったり。
◆鳥のえさ場にたくさんのスズメとヒヨドリのつがいがやってきてさらに名前のわからない野鳥も何羽か現れて今日は一日中大混雑していた。MAXで30羽ぐらいいたと思う。しかし野鳥は本当に敏感で、窓からそっと眺めようとしても気配でさっとこちらを見るのだ。そんな風に鳥を観察していると我が家の犬は怒るのだ。写真は
『8時だヨ! 全員集合』のDVDBOX最終盤。そうかこれで最後なのかと思うと淋しい。豪華版には金だらい形の小物入れもついてくるそうだ。妙に欲しかったりする(^_^;)。この番組を夢中になって見ていたのはもう40年も前なのか。Wikiで調べてみると視聴率の最盛期は僕は小学六年生の頃だ。ということは前後三年ぐらいとして、現在50代前半から40代半ばの人たちとは、この番組を肴に一晩酒を酌み交わせるだろう。
◆まぁひとつ言えることは、威圧的な態度や言動を取る人間は嫌いだってことだ。それが手段であれ方法であれ素であれ(裏側が垣間見える芸風ならまぁ良しとしよう)。そこにどんな理由があろうとも。
◆ハードでなければ生きていけない、ジェントルでなければ生きていく気にもなれない。ですよね。

2月10日(水) DOWN TOWN
◆晴れたり雪が降ったり。いつもの冬の一日。
◆えさ場では日々スズメとヒヨドリの戦いが続いているのだ。やっぱり身体の大きいヒヨドリの食事が優先なんだねぇ。スズメが一斉に飛びかかれば勝てると思うんだけど。さて河出書房新社の担当のTくんが画像を送ってくれました。いつもは見本が届いてからスキャンするんだけどせっかくなのでアップ。19日発売予定の
『DOWN TOWN』(河出書房新社)です。1970年代後半、高校生だった僕は故郷の旭川市で〈ぶろっく〉という喫茶店に入り浸っていました。寝る時間を除けばきっと学校で過ごす時間の次に長くそこで過ごしていたと思います。当時の喫茶店という存在がどんなものだったかを説明するのは難しいと思います。その店で僕は煙草を吹かしてコーヒーを飲んで、シュガーベイブやサム・クックやオーティス・レディングや石川セリや日野皓正やフリードウッドマックやフィービ・スノウのLPを聴いて、年上ばかりの常連たちと文字通り、言葉にするのは恥ずかしいですが青春の日々を過ごしていました。装幀のイラストも当時の店の様子がものすごくきちんと再現されています。もちろん作中の出来事はすべてフィクションですが、当時の思い出がたっぷりと染み込んだ物語です。楽しんでもらえれば幸いです。どうぞよろしくお願いします。
東京創元社さんから『ミステリーズ!』文藝春秋さんから『別冊文藝春秋』をいただきました。ありがとうございます。
◆へー、『踊る大捜査線』に和久さんの甥っ子という設定か。まぁ、ありっちゃありだな。

2月11日(木) 日々
◆曇ったり軽く雪が降ったり。
◆日本代表は東アジア選手権を戦っているわけだけど、なでしこジャパンは素晴らしい試合をしているようなんだけど中継はなし。してください。トゥルシエジャパンがなんだかんだ言って人気があったのは、〈フラット3〉という判りやすいビジュアルがあったからだ(たとえ本質的な理解ができないにしても)。コアなサポーターもライト層も一緒になって同じ絵を観ることができた。試合に負けても〈フラット3〉がうまくいかなったと納得できる。対して岡田監督の描いている絵は見えてこない。コアなサポーターも理解はできてもそこに至る道筋を追えない。だから平山が出てくるとサポーターは盛り上がる。彼は絶対的にわかりやすい絵を描いてくれるからなんだ。〈ポストになってさばいて周りが飛び込む〉〈とにかく平山をターゲットにする〉試合も実に判りやすく動き出す。でも、そのサッカーは岡田監督の描いている理想ではないんだろう。それでは〈日本のサッカー〉で世界に勝てないと信じている。ここらで日本が誇る広告業界とゲーム業界の出番ではないか。広告屋は岡田さんの理想をわかりやすくカッコよくコピーで表現して、ゲーム屋は岡田さんの理想とするサッカーをゲームで作り上げるのだ。そしてその映像をガンガン流すのだ。するとライトなファンも「あぁこれか」と納得できる。そしてなるほどこのサッカーをしたいなら平山を先発で使わないのも理解できる、となるだろう。日本のサッカー人気は衰退しているんだ。盛り上げるためにもそれぐらいやってもいいんじゃないかと思う。写真は日本の広告の歴史も作ってきた
〈資生堂のCM〉のDVD。歌舞伎や浮世絵や日本画を例に挙げるまでもなく、日本は江戸の昔から優れたビジュアルの国だったんだ。同じ絵を描いて、観てこそ力を発揮できると思うんだけどな。

2月12日(金) 日々
◆雪が降る。明日も雪かき。
◆サッカー日本代表。いつも疑問に思うのだ。代表選手が全員で話し合うってことはないんだろうか? あいにく僕はチームプレイを必要とする部活とかやったことないので判らないし、インタビューなどを読んでも全員で話し合ったという記述は読んだことがない。必要ないものなんだろうか。DF・MF・FW
それぞれにリーダー的な人間はいるだろうから、そいつらがちょこちょこ話して伝え合ってそれでオッケーという感じなのか。それともやっぱり最終的には言葉にできない感覚の世界なので話し合う必要はないのか。そして、岡田監督の描く理想はきちんと選手に伝わり、完璧に理解して、同じ絵を描けて(ベクトルを持って同じ方向へ)いるんだろうか。そこさえ判れば、どんなに苦しんでもサポーターはただひたすら信じて応援し続けるだけなんだけどなぁ。どうしてもそこが伝わってこない。写真はご存知コカコーラの〈The Coca-Cola TVCF Chronicles〉。スカッとさわやかコカコーラ。
◆スノボの国母の服装は完全にアウト。五輪も自分にとっては特別なものではなくひとつの大会、という意気は良し(結果を出せばね)。ふてぶてしい態度も普段は別に良し(結果を出せばね)。でも、代表のユニフォームはあんな風に着るものではない。教えなかった周囲が悪いとか言ってるけど教える以前の人間性の問題だバカモノ。あ、バカだからしょうがないのか。しょうがないなバカだから。

2月15日(月) ALL FOR 2010
◆夜になって大雪に。明日も雪かきだ。
◆サッカー日本代表(男子)は東アジア選手権惨敗。まぁ結果だけ見れば、永遠のライバル韓国に負け、驚くほどのサッカーをしてきた中国に引き分け(韓国は負けてる)、神がかったGKが活躍した香港に勝ち、と、割りといつも通りの感じだけど、その内容は何もいいわけできない。岡田監督の目指す〈世界を驚かす日本のサッカー〉を、僕は〈動くピンボールマシンサッカー〉だろうと理解している。ピンボールのフラップが二つ三つ常に寄り添いパスをはね上げ回しゴールへ向かって進み、邪魔なピンにぶつかり戻されようとも次々にフラップがボールをはね上げてゴールを狙う。違うだろうか。だから、背の高いFWを必要としない。俊敏さと正確さと運動量があればいい。(岡田監督が四強を本気で考えているのなら)それこそが四強に繋がる道だと。逆に言うと、ポストプレーの出来るFWを使ってするサッカーでは世界に勝てない、四強に届かないと岡田監督は考えているのだろう。でも、このていたらくだ。岡田監督は自分の理想とするサッカーをきちんと選手に伝えて、それを選手は理解しているのだろうか? だとしたら問題解決の道は単純だ。もっと練習して理想のサッカーを追い求めなきゃならない。実際昨日の試合に俊敏さも正確さも運動量も見られなかったのだから。でも収穫がまるでなかったわけでもない。個人的には稲本の、世界と戦ってきた能力の高さと、遠藤の必死さだった。後半終了近くの遠藤のプレイは、まるでドイツWCの中田のようだった。動かない仲間を鼓舞するように全身から気合いを発散させてボールを追っていた。あんな遠藤を僕は初めて見た。惨めな敗戦でも得るものは確かにある。周囲にどんな思惑がどんな雑音がどんな柵があろうとも、選ばれた人間のするべきことはただひとつ。相手を倒すことだ。戦うことだ。俊敏さと正確さと運動量を手に入れて、もしそれでも倒せない相手がいるとしたら、そこに加えるべきは絶対に負けないという不屈の意志の連動だ。ピッチの11人が同じ絵を描いていないと、力は発揮されないことを前回のWCで学ばなかったのか。すべての力をピッチに注げ。サポーターに出来ることもそれしかないはずだ。
角川書店さんから『野性時代』実業之日本社さんから『ジェイ・ノベル』集英社さんから『小説すばる』日本出版販売さんから『新刊展望』をいただきました。ありがとうございます。

2月16日(火) 日々
◆晴れときどき雪。
◆昨夜に降った雪が20センチぐらい積もっていた。もうそろそろ規定量に達したのではないでしょうか雪の女王様冬将軍様。このパウダースノーをまるで春のオリンピックだと嘆いているバンクーバーに届けたいぐらいだ。でも話によるとバンクーバーのこの時期ってあんなものなんですってね。もっと寒い雪のしっかりしたところで開催すればいいのに。僕は基本単純な男なので、四の五の言わずに競技を楽しめます。メダルは男子のスケート陣が見事に銀と銅を獲得してくれた。この調子で選手の皆さんには頑張っていただきたい。写真は好きな写真家
浅田政志さんの写真集『浅田家』。今、実業之日本社『ジェイ・ノベル』で展開している表紙写真も浅田さん。いいですよー。
◆見たくも聞きたくもない虐待のニュースがまたぞろ入ってくる。自分の子供に感情的になって手を上げてしまうのは理解できる。僕もそういう感情を抱いたことはある。でも、踏みとどまれる。気がつかなきゃならない。どうしてそれができない人間がいるのかが、理解できない。
ポプラ社さんから『asta*』をいただきました。3月号にはエッセイを書きました。そして4月号から新連載が始まります。タイトルは『HELLO!! Mr.SAINT! 花咲小路四丁目の聖人』です。主人公は御年七十を越えるイギリスから日本に帰化したおじいちゃん。そしてこのおじいちゃん、なんとかつてイギリスを騒がせた怪盗なんです。楽しい物語にしようと思ってます。どうぞよろしくお願いします。

2月17日(水) 永遠の嘘をついてくれ
◆晴れ。
◆昨夜は、さらにまた雪が降った。20センチぐらいかな。本当にもういいですから雪。お願いしますこのまま春まで降らないでいいですから。と、毎年この時期には思うんだよね。
◆もちろん昔が良かったとかそういうことじゃない。昔より今が良い時代に決まってる。そうじゃなきゃ悲しいじゃないかと思う。でもずっと気になってることはある。そんなに耐えるということは悪いことなんだろうか。我慢するというのは時代遅れなんだろうか。そんな時代じゃないんだというのはわかるし、言いたいことを言う、そういう場所が機会が増えるのは良いことだ。もちろん、虐げられることを耐えるとかそういうことじゃない。そうじゃないんだ。言わなくなっていいこともある。自分の胸のうちにしまっておいて、自分だけが耐え忍べばそれでいい、ということが美徳になる場合だって確かにあるんだと思う。それで眉間に皺を寄せるのではなく、明るく笑って、きっといつかこうして我慢したことが報われる日が来ると思い、日々を生きるというのは良いことではないのだろうか。くれぐれも誤解しないように。そんな我慢をしないでもいいのがベストだ。でも、そういう資質は確かに日本人のものではなかったのだろうか。かつてラフカディオ・ハーンは日本の寂しさが好きだと言ったそうだ。それが事実なら、彼が感じ取ったのはそういうことじゃないだろうか。心の中に雨が降るなら、心に傘を差せばいいじゃないか。
◆ま、そうは言いながらも、世の中楽しいことばっかりの方がいいに決まってますけどね。

2月18日(木) やがて愛の日が
◆晴れ。
藤田まことさんがお亡くなりになった。初めてその存在を知ったのはまだ幼稚園のころだ。『てなもんや三度笠』のおもしろい顔をしたおにいちゃんで、ケラケラ笑って観ていたのを覚えている。その次に僕の目の前に現れた藤田まことさんは、大好きな必殺シリーズの殺し屋の一人、『仕置人』の中村主水としてブラウン管に登場した。『仕掛人』の緒形拳さんや『仕置人』として共演した山崎努さん、沖雅也さんという強烈な個性の中で、藤田まことさんの殺し屋というのは確かに意外だった。初登場はその『必殺仕置人』。八丁堀同心中村主水。まさか、その後綿々と続く『必殺シリーズ』の顔になるとは思ってもみなかった。長い必殺シリーズの中で僕のお気に入りはどちらかと言えば、中村主水以外の殺し屋たちだ。藤枝梅安・棺桶の錠・念仏の鉄・辻平内・糸井貢・知らぬ顔の半兵衛・市松、挙げると切りがないけど、その中にあって中村主水はその芯の部分をしっかりと支えてくれた。つまり〈表の顔〉だ。表がなければ、裏も存在できない。昼行灯の八丁堀同心という情けない表の顔を中村主水が勤めあげてくれたからこそ、裏の世界に生きる殺し屋たちが光ったのだ。僕の中で最高の〈中村主水〉は、デビュー作の『必殺仕置人』を除けば『必殺仕業人』『必殺商売人』の中村主水だ。殺し屋にはなれないけど、中村主水のように飄々と表と裏の世界を駆け抜けていきたい。長い間お疲れさまでした。ありがとうございました。ご冥福を心からお祈りします。今夜は必殺のテーマを聴きながら寝ます。
◆とにかく『必殺シリーズ』が大好きだった僕は、小学六年生のときに原稿用紙に殺し屋が活躍する時代劇のようなものを書いた記憶がある。作家として江戸時代劇をいつかは書いてみたいという思いはある。そのときの主役は、間違いなく裏の世界に生きる殺し屋になると思う。

2月19日(金) 日々
◆晴れたり曇ったり。
◆小さい頃からファンだった俳優や芸能人の方が亡くなっていくのは、しみじみと淋しいものだなぁと痛感する。自分がそういう年齢になっているからしょうがないのだけど、ここ数年で去っていってしまう人が多過ぎて、なんだか本当に淋しい。あと十年も経ったらその淋しさにも慣れるんだろうか。写真は今日突然に庭の桜の木にやってきたアカゲラ(たぶん(^_^;))。いつもはスズメとヒヨドリしかやってこない餌場なのだけど、夕方に妻が「見慣れない鳥が!」と叫んだので慌ててカメラを抱えて撮った。調べてみるとエゾアカゲラでしょうかね。頭が赤くなかったので雌なのでしょうか。それにしてもこの辺には林も山もないのに、どこから飛んできたんだろう。あ、JRの線路沿いに防風林があるか。野鳥が庭にやってくるというのは、なんか、いいものだ。
◆僕たちが学校で習った歴史というのはもはや古い常識でしかないことが多いのだなと最近痛感する。続々と発見される新しい遺跡や遺物、進歩する測定技術などなど。クレタ島で発見された石器のオノなどは「ツタンカーメンの墓からiPodが見つかるようなものだ」ということらしい。すごいなぁと思う。人類はこの世のことさえまだこれっぽっちも判っちゃいないんだ。前世だのスピリチュアルだの占いだの言ってないで、足下をしっかり見て歩けってなもんだな。
集英社さんから『青春と読書』3月号をいただきました。今号に『フロム・ミー・トゥ・ユー 東亰バンドワゴン 包丁いっぽん相身互い』前編が掲載されています(後編は来月号に)。今回の語り手は、小料理居酒屋〈はる〉の渋い板前さん、コウさんです。そして、5月号、6月号にも『フロム・ミー・トゥ・ユー 東亰バンドワゴン』引き続き掲載予定になっています(たぶんね)。

2月21日(日) 日々
◆晴れたり曇ったり。
◆執筆中、そういえばあの本はどこだったかなと振り返り本棚を見ると、一段がほぼ自分の本で埋まっている。ときどきその状況が、とても不思議なことに思える。本当に作家になって暮らしているんだよなぁと。何度も書いているしインタビューでも答えているけど、作家になろうと決めたのは30歳の誕生日だ。それまで6年間広告制作会社で働いてそれなりに満足はしていたのだけど、いつも頭の隅にあったのは『将来何になるのだろう』という思い。そのまま広告業界で働いている自分がイメージできなかった。結婚して子供もいた。だから作家になりたい、ではなくて、作家になって家族を養おう、という決心を固めた。最初に書いた作品がなんだったのか、もう覚えていない。短編だったような気がする。当時はまだ『公募ガイド』のようなものもなく、もちろんインターネットもなく、本屋に行って文芸誌を眺めて「そうか、新人賞にはこうやって応募するんだ」と調べた。新人賞に応募するようになってからは一年に一作、仕事をしながら300枚ぐらいの長編を書いていた。二足のわらじは無理だと感じていた。毎日が息苦しかった。結局38歳で会社を辞めてしまうわけだけど、家も建てて子供も二人いてよくまぁ辞められたものだと、当時の自分の決断に感心する。さらに42歳でデビューするまでよくもまぁ耐乏生活を続けられたものだと、支えてくれた妻と救い続けてくれた小さな運に感謝する。そして、この子たちのためにも崩れ落ちるわけにはいかないと思わせてくれた二人の息子たちの存在にも感謝する。
小学館さんから『きらら』をいただきました。ありがとうございます。

2月23日(月) 日々
◆晴れたり曇ったり。
◆媒体費、ネットが新聞を抜いたっていうのはけっこうすごいニュースじゃないか。広告業界を離れて久しいのであれだけど現場はどういう認識なんだろう。僕が現場にいた頃はネットがかなり市民権を得てきた頃で、グラフィックデザインにしてもそれまで紙のデザインの模倣だったサイトデザインがようやく実体を持ち始めて、そのネットに特化したデザインの感覚が逆に紙媒体のデザインにフィードバックされ始めたような時期だった。そういえばインターネットのデザインの総称はなんて言うんだろう? デジタルデザイン? 違うな。まぁいいや。デザインの世界は日々変化する。新しい媒体が手に入る毎にその姿を変貌させていく。でも変わらないのは、人が気持ちよく感じるデザインが必ずスタンダードになっていくってことだ。小説だって同じことだと思う。写真は今まで我が家の庭の餌場にやってきた野鳥を集めてみました。
祥伝社さんから『小説NON』筑摩書房さんから『ちくま』PHPさんから『文蔵』をいただきました。ありがとうございます。『ちくま』で『話虫干』、『文蔵』で『ラプソディ・イン・ラブ』連載中です。よろしくお願いします。

2月25日(木) 日々
◆晴れ。
◆ここ二、三日気温が上がって住宅街の中通はもう雪がぐちゃぐちゃで四駆野郎が泣いて喜ぶダート状態。いやマジでジープに乗っていた頃はこういう道路になると燃えましたけどね。私だけでしょうか。オリンピック熱もそろそろ終わりでしょうか。とにかく一言だけ言いたいのは、ただただ純粋に楽しんでオリンピックを観たいってことだ。詳しくは言わん。
◆そろそろ近づいてきた球春。
コンサドーレ札幌は順調にキャンプを続けているけど、またぞろ怪我人で頭を悩ませているらしい。箕輪の復帰も遠のき、そしてボランチのダニルソンの穴は痛いよなぁ。とはいえ、ゴン中山を中心に新しい仲間はなかなか魅力的な連中ばかりだ。今年こそ開幕スタートダッシュして、地力をしっかりつけて、J1に再び上がってほしい。あ、北海道日本ハムは心配してないから。まぁそろそろ新旧世代の交代をちゃんとしていかないとマズイかなって感じはあるけれど。補強した外国人投手がどうなのかなぁってことと、昨シーズン調子に乗り過ぎた(^_^;)打線が今年はどうなるかのかってことですかね。写真は好きなミュージシャン〈fishing with john〉のアルバム『林檎にタッチ』。twitterで見つけてフォローさせていただきました。
河出書房新社さんから『追悼加藤和彦』早川書房さんから福田和代さん『プロメテウス・トラップ』をいただきました。ありがとうございます!
◆今日書き上げた短編、実は
講談社『メフィスト』に載る短編です。メフィスト賞を受賞して8年、なんと初めて本誌に小説が載るという(^_^;)。学園もの、というオーダーだったので、拙著『高く遠く空へ歌ううた pulp-town fiction』(講談社)の主人公、ギーガンを登場させることにしました。七年ぶりに〈ギーガン〉って単語を打ちました(^_^;)。お楽しみに!

2月26日(金) 日々
◆曇り。
◆担当編集さんが来道したのでお昼ご飯を食べに札幌駅へ。ワンセグでフィギュアを観ながら(^_^;)お食事。Nさんお疲れさまでした、ごちそうさまでした。フィギュアについては細かいことは言うまい。ただただお疲れさまでした。娘のような年齢の女性たちの戦いにただただ拍手。周囲の大人たちはいろいろ考えた方がいい。写真は
矢野直美さんの写真集『汽車通学』(メディアファクトリー)。北海道のローカル線で学校に通う子供たちとその風景を切り取った写真。北海道ではいまだに電車のことを〈汽車〉と言ったりする。日本でいちばん最後まで蒸気機関車が現役だったせいか(そうだったような気がする)。だから高校生たちは電車通学のことを汽車通と言う。学校に通う手段がそれしかないところは北海道にたくさんあるのだ。写真の中の彼氏彼女たちは、どこまでも元気だ。僕も通勤していた頃はたまに彼氏彼女たちでごったがえす車両に乗ることもあったけど、年を取れば取るほど彼らの天真爛漫な傍若無人(間違った使い方だけどね)ぶりが愛おしく思えてくる。今しかない今を楽しめよ、と心の中で呟く。
◆目下の問題は、スカパー!に繋いでいるテレビを地デジに替えるかどうかだ。そしてスカパー!もスカパー!HDに替えるかどうか。WCも近づいている。どうすっかなぁ。いやもっと目下の問題は確定申告だった。早くやれよ俺。いやまてその前に原稿だ。
◆根っこの自分はいいかげんでずぼらでどうしようもない男なのだが、その上に小心者でええかっこしいというOSが乗っかっているおかげで真っ当な社会生活を営んでいられる。いいんだか悪いんだか。

2月28日(日) 日々
◆晴れ。
◆しまった2月って28日までなのか。もう終わってしまうんじゃないか。でも春の足音が聞えてくるからいいか。球春が近づいてきて、
コンサドーレ札幌は大分とプレシーズンマッチ。これで最後かな。スカパーで生中継したので観ることができた。まず新加入のFW近藤は相変わらずの力強さを見せてくれた。同じく新加入のリハンジュと内村とともに、昨年にはなかったパワーを注入してくれた感じだ。ただいかんせんボランチの二人上里と宮澤がまだ曖昧だ。上里は昨年と変わらないプレーだったが、宮澤は消えてしまう癖が直っていない。やはり弱点はここだなー。攻撃の面では申し分ない二人なので、どこまでDFとの連繋を高めていけるか。印象としては、昨季よりチーム力が落ちたということはない。スピードを代償にパワーを手に入れた感じだ。ならば、連携はより重要になる。もっと熟成しないと今のままでは昨季と変わらない順位の印象しかないなー。ゴン中山は10分だけの登場で何も出来なかったけど、ゴンの意図をきちんと読み取ればチャンスになる場面は二度ほどあった。そういうところなんだよなー。その場その場での個人のアイデアをうまく生かせる人間がいないんだ。がんばれ。写真は話題になっていた風呂漫画ヤマザキマリ『テルマエ・ロマエ』(エンターブレイン)。こいつは面白い。
東京創元社さんから梓崎優さん『叫びと祈り』、乾ルカさん『メグル』をいただきました。倉阪鬼一郎さんから『忍者ルネッサンス』(出版芸術社)をいただきました。ありがとうございます!