必殺仕掛人 (作/早坂 暁 語り/睦五郎)
はらせぬ恨みをはらし 許せぬひとでなしを消す いずれも人知れず 仕掛けて仕損じなし 人呼んで仕掛人 ただしこの稼業江戸職業づくしにはのっていない
はらせぬ恨みをはらします 許せぬひとでなしを消します いずれも人知れず 仕掛けて仕損じなし 人呼んで仕掛人 ただしこの稼業江戸職業づくしにはのっていない
のさばる悪をなんとする 天の裁きは待ってはおれぬ この世の正義もあてにはならぬ 闇に裁いて仕置きする 南無阿弥陀仏
仕置き 法によって処刑することを江戸時代こう呼んだ しかし ここにいう仕置人とは 法の網をくぐってはびこる悪を裁く 闇の処刑人のことである ただし この存在を証明する記録古文書の類いは 一切残っていない
どこかで誰かが泣いている 誰が助けてくれようか この世は人情紙風船 耳をすませた奴は誰 泣き声めざして走る影 この世は闇の 助け人
助け人の存在を証明する記録は何も現存していない ただ 江戸の庶民達は彼らを義賊という名で あるいは世直しという名で 密かに語り続けた 伝えられる闇の助け人の総数 二十六名
黒船このかた泣きの涙に捨て処なく 江戸は均しく針地獄の様呈し居り候 尽きせぬこの世の怨み一切 如何なりとも始末の儀 請け負い申し 万に一つも しくじり有るまじく候 但し右の条々 闇の稼業の定め書き 口外法度の仕留人
金に生きるは下品にすぎる 恋に生きるは切なすぎる 出世に生きるはくたびれる とかくこの世は一点地六 命ぎりぎり勝負をかける 仕事はよろず引き受けましょう 大小遠近男女は問わず 委細面談 仕事屋稼業
一筆啓上 火の用心 こんち 日柄もよいようで あなたのお命もらいます 人のお命いただくからは いずれ私も地獄道 右手に刃を握っていても にわか仕込みの南無阿弥陀仏 まずはこれまで あらあらかしこ
あんた この世をどう思う どうってことねえか あんた それでも生きてんの この世の川を見てごらんな 石が流れて木の葉が沈む いけねぇなあ 面白いかい あんた 死んだふりはよそうぜ やっぱり木の葉はピラピラ流れて欲しいんだよ 石ころはジョボンと沈んでもらいてえんだよ おい あんた聞いてんの聞いてんのかよ…… あら もう死んでやがら あー菜っ葉ばかり食ってやがったからな
雨が降ったら傘をさす 辛い話は胸を刺す 娘十八 紅をさす 魔がさす 棹さす 将棋さす 世間の人は指をさす 許せぬ悪に とどめ刺す
さよならだけが人生か それなら今日は何なのさ きのう勤王 きょう佐幕 きのうほんとで きょうはウソ 雨は振る降る血の雨が ひとの情けは泥まみれ あした天気になァれ
必殺仕置人と同じ